なぜ再発防止策の検討が重要なのか
児童への性暴力被害や不適切な行為、またはその疑いが生じた場合、事業者は迅速かつ適切に対応すると同時に、再発防止策を検討し実行する責務があります。単なる個別事案の改善に留まらず、施設・事業所全体の組織文化や運営体制の根本的課題を踏まえて改善を図ることが重要です。
本記事では、再発防止策の検討体制を構築する際に、なぜ組織内だけでなく外部有識者の助言を受けることが必要なのか、その理由と具体的な連携方法について解説します。
再発防止策検討体制の構築と第三者性の確保
再発防止策を検討する際、組織内だけの判断では限界があります。内部の人間のみでは、組織防衛心理や慣れ合い、専門知識の不足から、根本的課題を見落とすリスクがあるためです。
外部有識者の関与は、組織内の客観性・公平性・透明性・質の担保に直結します。また、被害児童の保護者の意見も重要で、再発防止策の検討や決定事項については、適切なタイミングで説明し、理解を得ることが求められます。
外部有識者による再発防止策への貢献
再発防止策の検討は、性暴力や不適切行為が事実と確認できた場合だけでなく、事実の有無が不明確な場合にも実施されるべきです。
外部有識者は、個別事案の原因分析に留まらず、組織文化や体制の改善に向けた助言を行うことができます。
- 根本的要因の分析
個人の責任追及ではなく、「どのようにすれば防げたのか」「より早期に発見できたか」という観点で客観的に議論することが重要です。 - 防止・発見策の改善
外部有識者は以下の観点で助言を提供できます。- 未然防止:施設のレイアウト変更、防犯カメラ設置、従事者研修や服務規律の見直しなど。
- 早期発見:児童の異変の振り返り、教育・啓発内容の改善、従事者研修内容の充実など。
- 事実評価が困難なケースへの対応
防犯カメラ設置など、適切な事実評価を可能にする環境整備も再発防止策の一環です。
再発防止のサイクルと監督機関の役割
再発防止策の検討と実行は一度で完結するものではなく、継続的な改善サイクルの中で行うことが重要です。
監督機関や警察、性暴力被害者支援機関、医療機関など関係機関との適切な連携は、被害児童の保護・支援や再発防止策の実効性を高めます。また、被害児童の保護者に対しても、再発防止策の内容を適切なタイミングで説明し理解を得ることが必要です。
まとめ:信頼回復に向けた第三者の力
再発防止策検討体制は、事案対応の経験や知見を持つ外部機関(弁護士、公認心理師、研修実施機関、性暴力被害者支援機関など)への相談・助言を得られる関係性を構築し、組織内チーム(2~5名程度)で運営することが望ましいです。
外部有識者の知見を取り入れることで、組織・運営の根本的課題から改善を図り、性暴力が再び起きにくく、仮に起きたとしても早期発見・適切対応できる組織づくりにつながります。これにより、被害児童や保護者、社会全体からの信頼回復が可能となります。
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