性暴力は密室で発生する
こども性暴力防止法(日本版DBS)が求める安全確保措置では、児童への性暴力を未然に防ぐための施設・事業所の環境整備が欠かせない。特に、従事者が支配的立場にあり、児童と密接な関係を持つ状況で、保護者の目が届かない「閉鎖性」や死角が生じる場所では、性暴力のリスクが高まる。
本記事では、性暴力を未然に防ぐため、物理的環境(ハード面)と運用・体制(ソフト面)の両面から死角を減らし、複数の目が行き届く体制を構築する具体策を解説する。
リスクエリアの特定と環境整備の原則
過去の事例から、性暴力は目が届きにくい場所や死角になりやすい場所で発生している。具体的には、放課後の教室、空き教室、更衣室、トイレ、体育館倉庫、放送室、保育室の昼寝や着替え時、送迎車、居室などが挙げられる。
また、児童や従事者が少ない時間帯や一対一になる状況はリスクが増大する。未然防止の取り組みは、物理的環境の見直しと巡回・対応ルールの整備を組み合わせて実施することが効果的である。
物理的環境の見直しによる密室状態の回避
施錠と鍵の管理
- 教室や部屋は内側から施錠できない構造とすることが望ましい。
- 普段使われない教室・部屋は必ず施錠し、鍵は一元管理する。
死角を生じさせない構造の検討
- 建替や改修時には、廊下から教室・部屋の内部が見えるように低い仕切りや大きな窓を設け、死角を最小化する。
- 完全に死角をなくせない場合は、そのリスクを評価し、従事者への啓発に活かす。
既存環境の改善
- レイアウト変更、展示物の撤去、ミラー設置、摺りガラスの廃止などを通じて死角を確認・記録し、改善を図る。
運用・体制による継続的な監視の強化
巡回体制のルール化
- 施設内の安全責任者は毎日の巡回で死角となる場所を確認する。
- 廊下からの目視だけでなく、中に入り状況を確認する。
- 巡回は予測されないように不定期で実施する。
- 使われていない部屋の施錠や、トイレ・更衣室の盗撮カメラ設置の有無も確認する。
多様な視点の導入
- 専門家や保護者、児童の意見も取り入れ、死角や密室のリスクを常に認識する。
- 研修で議論した内容を環境改善に反映させる。
監視システムの活用とプライバシーへの配慮
防犯カメラや人感センサーの活用
- 監視システムは性暴力発生の抑止、異常の早期検知、事案発生時の検証に有効である。
適切な設置と運用ルール
- 目が届きにくい場所や児童と一対一になる面談室に設置する。
- プライバシー保護のため、映像は事案発生時の検証にのみ使用し、通常は閲覧せず一定期間後に消去する。
- トイレや更衣室など閉鎖空間では入口にカメラを設置し、入退室のみ記録することも検討できる。
まとめ:継続的な安全確保に向けて
環境整備は一度行えば終わりではなく、研修や日常運用を通じて発見された課題をルールや物理的環境に反映させ、継続的に改善することが不可欠である。事業者は、児童との関係性や事業の性質に応じ、これらの防止策の導入を検討し、多重監視体制による安全確保を実現すべきである。
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