特定性犯罪事実該当者への防止措置:雇用管理上の措置を講じるまでの「合理的な期間」と事業者の義務

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特定性犯罪事実該当者への防止措置の法的義務

犯罪事実確認の結果、特定性犯罪事実該当者であることが判明した場合、事業者には直ちに重大な判断が求められます。
法は、このような者を「児童対象性暴力等が行われるおそれがある」とみなし、原則として児童に接する業務(対象業務)に従事させてはならないと定めています。

もっとも、配置転換などの雇用管理上の措置を講じるまでには準備期間を要するケースがあるため、その間の安全確保措置を怠らないことが極めて重要です。


防止措置を講じるまでに「合理的な期間」が認められるケース

こども性暴力防止法および関係指針では、防止措置を講じる「具体的な時期」は明示されていません。
しかし、現実的な運用としては、雇用管理上の措置を講じるための合理的な準備期間が必要とされることがあります。

想定される準備期間の事例

  • 犯罪事実確認書に記載された情報だけでは不十分な場合、本人との面談を実施し、具体的な行為内容や反省の有無を把握する。
  • 配置転換を実施するために、転換先の業務検討や後任者の調整を行う。

このような準備は、防止措置の実効性を担保するための合理的行為として認められます。
ただし、準備完了後も措置を遅らせる場合は、合理的期間の範囲を超えるとみなされる可能性があります。


「合理的な期間」内に措置を講じていないと見なされる違反行為の例

ガイドライン上は、「合理的な期間」内に防止措置を講じなかった場合、法令違反または認定取消事由に該当するおそれがあります。
特に次のような行為は、違反と判断される典型例です。

  • 準備をすでに終えているにもかかわらず、人事異動時期に合わせて措置を先送りする。
  • 安全確保の必要性を認識しながらも、業務上の都合を優先して従事を継続させる。

このような対応は、「合理的期間を超えた不作為」として評価され、行政指導や認定取消につながる可能性があります。


準備期間中に課される安全確保義務

事業者が「おそれがある」と認めた時点で、安全確保義務は即時に発生します。
雇用管理上の措置を講じる準備を行っている期間であっても、児童の安全を守るための暫定措置を怠ることはできません。

講じるべき安全確保措置の例

  • 当該従事者に対して注意喚起を行う。
  • 業務中の巡回・監視体制を強化する。
  • 児童との対応を常に複数の従事者で行うよう運用を変更する。

これらの措置は、単なる形式的対応ではなく、「児童の安全確保」を最優先に据えた暫定対応として位置づけられます。


特定性犯罪事実該当者への防止措置の内容(原則論)

防止措置の基本は、対象業務からの完全な分離です。
特定性犯罪事実該当者については、再犯リスクおよび業務適格性の観点から、従事継続は原則として認められません。

措置の基本方針

  • 新規採用者の場合: 内定取消・採用見送り等
  • 現職者の場合: 対象業務以外の職務への配置転換、あるいは退職勧奨等

これらの措置は、本人の不利益よりも児童の安全を最優先に考える法的義務に基づくものであり、事業者の裁量の範囲を超えた「義務的対応」となります。

まとめ:児童の安全を中心に据えた迅速かつ慎重な対応を

「合理的な期間」は、事業者が準備のために猶予される法的に認められた時間である一方、安全確保義務からの免除を意味するものではありません
特定性犯罪事実該当者が判明した時点で、事業者は即時に防止措置の準備に着手し、暫定的な安全確保策を講じつつ、合理的期間内に雇用管理上の措置を完了させることが求められます。


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