保護・支援の目的と「中長期的な見守り」の必要性
児童対象性暴力等を受けた児童等への保護・支援の目的は、被害児童が日常生活の安心と学びの場を取り戻すことにあります。
性暴力の影響は一時的なものではなく、心理的な回復や社会的な再適応には長期的な支援と見守りが不可欠です。
ガイドラインでは、被害児童等の希望を踏まえた中長期的な見守り体制を求めており、事業者は単発的な支援ではなく「継続的支援」を制度設計に組み込む必要があります。
内閣府令が定める「保護及び支援のための措置」の3つの柱
内閣府令では、被害児童等への保護・支援措置として次の3項目を明確に定めています。
- 加害教職員等との接触回避
被害児童等と加害行為を行ったと認められる教職員等が接触しないよう、人的配置や動線を調整します。
これは再トラウマ化の防止に直結する重要な措置です。 - 支援機関等に関する情報提供
事案内容や状況に応じて、支援機関(医療・心理・法律など)の一覧と支援内容を被害児童等へ提供する義務があります。
自立的な支援利用を促す観点からも、正確で分かりやすい情報提供が求められます。 - 相談対応の真摯な継続
被害児童や保護者からの相談には迅速かつ誠実に対応すること。相談窓口の設置や記録管理の整備も実務上欠かせません。
中長期的サポートを支える「情報引き継ぎ」の義務
被害児童等への支援は、その児童が在籍している期間に限られません。
ガイドラインでは、転校・卒業後にも支援が継続されるように情報を引き継ぐ措置を講じることを明示しています。
- 情報引き継ぎの目的
支援の連続性を確保し、教育・保育等の場が児童にとって「安全で安心できる場所」となるようにするためです。 - 実務上の留意点
情報の引き継ぎには、児童本人および保護者の同意取得が前提となります。
また、共有内容は必要最小限とし、個人情報保護と機微情報の管理を徹底することが求められます。
外部専門機関との連携による継続支援の確保
中長期的支援を実効性あるものにするには、外部の専門機関と持続的に連携する仕組みが必要です。
主な連携先と役割:
- 性暴力被害者支援機関(ワンストップ支援センター等)
被害直後から回復期まで、心理・医療・法的支援を一体的に提供します。 - 医療機関
身体的な治療、性感染症の検査、妊娠に関するサポートなどを通じて、長期的な健康回復を支えます。 - 臨床心理士・公認心理師・弁護士等
心理的ケアや法的助言を行い、学校や保育現場との調整も担います。
このように、外部支援ネットワークを中核とする支援体制の構築こそが、事業者に求められる「継続的責務」です。
保護・支援措置における児童等への説明と配慮
中長期的支援の運用にあたっては、次の3つの視点からの配慮が不可欠です。
- 心身への負担軽減
支援過程で被害児童に過度な負担をかけず、二次被害を生じさせないよう細心の注意を払うこと。 - 希望の尊重
支援の主役は被害児童本人であり、その意向を踏まえたペースで支援内容を決定すること。 - 情報提供と対話
支援機関一覧や支援内容を説明するだけでなく、継続的な傾聴と対話を通じて、安心して相談できる関係性を維持すること。
まとめ:支援の「終わり」を設けない姿勢が制度の信頼を支える
児童対象性暴力等への支援は、加害者への処分で終わりではなく、被害児童の回復と生活再建のための長期的プロセスです。
事業者・教育機関・支援機関が連携し、転校・卒業後も支援が「途切れない」仕組みを設けることこそ、日本版DBS制度の理念を具現化する行動です。
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