保護者の選択を助ける情報の標準化:公表される「事業概要」「従事者業務概要」の具体的な選択肢と法的意義

日本版DBS制度の概要を象徴する抽象イメージ(法律書と議事堂のイラスト) 制度概要

公表制度の目的— 保護者の安全な選択を担保する

内閣総理大臣(こども家庭庁)は、認定等を行った場合、認定事業の概要や教育保育等従事者の業務概要など、一定の事項を遅滞なくインターネット等で公表する義務を負います(法第22条第1項)。
この制度は、保護者が子どもを預ける際に「どの事業者が安全で信頼できるのか」を判断できるようにすることを目的としています。
つまり、公表制度は「事業者の透明性」と「保護者の情報選択権」を担保する法的仕組みです。


公表される「認定等事業の概要」の具体的な選択肢と多様性への対応

民間教育事業(法第2条第5項第3号)は、法律上の定義が明確でない多様な形態を含むため、こども家庭庁では標準化を目的として「選択式」の事業区分を設定しています。
事業者は、自らの事業形態に最も適した選択肢を選ぶことで、認定制度の一貫性と情報の比較可能性を確保します。

主な選択肢の例

  • 学習・技能系:学習塾、そろばん教室、外国語会話教室、プログラミング教室、科学教室など
  • 運動・健康系:地域スポーツクラブ、クラブチーム、フィットネスクラブ、ダンス教室、バレエ教室など
  • 文化・芸術系:書道教室、生花教室、茶道教室、音楽教授業など
  • その他(非伝統的施設):民間学童保育、こども食堂、公民館、図書館など

これらの分類は、従事者が3名以上在籍し、6か月以上の修業期間を有するなど、法令で定められた認定基準に適合する事業を対象としています。
つまり、公表される事業概要は「法的適格性を満たす事業」としての透明な証明でもあります。


公表される「教育保育等従事者の業務の概要」と「3要件」の関係

教育保育等従事者の業務概要は、児童と接する職種だけでなく、直接指導を行わない間接的な職種も含まれています。
この点が、制度設計上の大きな特徴です。

具体的な業務区分の例

講師、指導者、受付業務員、事務職員、相談員、清掃員、警備員、運営スタッフ、送迎バス運転手、その他(自由記述)

法的背景:「支配性・継続性・閉鎖性」の3要件

これらの職種が対象に含まれるのは、「教育保育等従事者」に該当するか否かを判断する3要件—
すなわち、

  1. 支配性:子どもに対して一定の指導・監督関係がある
  2. 継続性:反復・継続的に業務を行う
  3. 閉鎖性:他者の監視が及ばない環境で接する可能性がある
    —を満たす場合があるためです。

例えば、送迎バス運転手が「他の職員が同乗せず児童と会話や接触する状況」が想定される場合、閉鎖性を満たし、犯罪事実確認(DBSチェック)の対象職種に含まれます。
このように事業者は、公表を通じてどの職種まで安全確保措置を講じているかを明示し、保護者が判断できる環境を整備する責務を負います。


システム上の運用設計とフランチャイズ事業者の情報公表

システム運用の基本設計

認定申請は、こども性暴力防止法関連システムを介してオンラインで行われる予定です。
事業概要および従事者業務概要は、統一フォーマット内で選択入力する方式とすることで、全国的な標準化を図ります。

フランチャイズ事業者の扱い

公表事項には「同一事業名で異なる事業者が運営する場合にはその旨を記載する」と定められています。
たとえば、「〇〇教室」という名称のフランチャイズで、ある加盟店が認定を取得していても、別の加盟店は未認定というケースがあり得ます。
この明示は、保護者が誤って「系列店もすべて認定済み」と誤解しないようにするための重要な措置です。

公表後の変更義務

認定事業者は、事業概要や従事者業務概要に変更が生じた場合、事前にこども家庭庁へ届出を行う義務があります。
これにより、最新の情報が常に公表され、保護者が信頼できる判断を下せる体制が維持されます。


まとめ:情報の透明化が信頼の基盤となる

公表制度は、単なる情報開示ではなく、**保護者が安心して事業者を選べるための「信頼インフラ」**として機能します。
事業者にとっては、適切な項目選択と定期的な更新が「法令遵守の証」となり、保護者にとっては、事業者の姿勢を客観的に比較できる手段となります。
この双方向の透明性こそが、日本版DBS制度の根幹にある理念です。

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