早期把握のための面談・アンケート運用の徹底

日本版DBS制度の概要を象徴する抽象イメージ(法律書と議事堂のイラスト) 制度概要

早期把握措置の法的義務と運用の目的

学校設置者等および認定事業者等は、児童への性暴力等のリスクを早期に把握するため、内閣府令で定める措置を実施する義務があります(法第5条第1項、法第20条第1項第2号)。

内閣府令で定められた措置には、発達段階や特性に応じた児童に対する定期的な面談・アンケートの実施が含まれます。定期的な実施により、性暴力やその予兆の早期発見が可能となり、潜在的な加害者に対する抑止効果も期待されます。

面談・アンケート設計の基本原則

面談やアンケートの実施方法、聴き取り項目、言葉遣いは、児童の発達段階、障害の特性、教育・保育事業の内容を踏まえ、適切に設定する必要があります。保護者には事前に趣旨や内容を説明し、理解を求めることが有効です。

発達段階に応じた具体的な工夫

  • 未就学児
    アンケート実施は困難なため、日常観察による早期発見が中心です。必要に応じて、保護者への面談・アンケートを併用することが望ましいです。
  • 小学生以上
    面談・アンケートに先立ち児童に質問内容を説明するか、性や権利に関する教育・啓発の過程でアンケートを実施することで、理解を前提とした回答を促せます。
  • 設問の工夫
    設問文は児童の発達段階に応じて表現を修正し、詳細な記述を求めず、チェック方式など負担の少ない形式とします。必要な情報は面談で補完する方法も有効です。

障害児の特性に合わせた運用

障害のある児童に対してもアンケート実施は有効ですが、理解や回答が可能な表現・方法を用いることが前提です。可能な限り児童自身が回答できるよう配慮し、必要に応じて手助けを行います。知的障害のある児童には、定期的な面談も有効な手段です。

回答実現のための心理的安全性確保

回答者の心理的安全を確保するため、加害者となる可能性がある従事者(担任・管理職等)は回収者・閲覧者とせず、より上位の者や第三者に直接提出する仕組みを設けることが重要です。

封筒による厳封提出やアクセス権限の管理徹底など、回答閲覧の制限も必要です。また、アンケートは児童の任意とし、回答を強制しないことが原則です。


組織内の権限が大きい者への通報に備えた匿名窓口の設計

報告ルール策定の必要性

性暴力の疑いや不適切行為を認識した場合、直ちに組織的対応につなげるため、事業者内外での報告や情報共有が必要です。事前に報告ルートやルールを設定し、従事者に周知することが有効です。

権限が大きい者による性暴力への備え

組織内の権限が大きい従事者による性暴力の疑いでは、報復を恐れ適切に通報されない可能性があります。これに備え、匿名で通報・報告できる仕組みを整えることが重要です。具体的には、事業者内部の匿名通報窓口や、行政機関・業界団体など第三者窓口の周知が有効です。

報告者保護の徹底

報告した従事者に不利益な処分を行わず、報告者や報告内容に関する情報の秘密保持を徹底することが求められます。情報共有範囲は必要最小限とし、漏洩による二次被害を防ぐことが重要です。また、報告者が望まない場合、他の従事者に報告事実が知られないよう情報管理を徹底します。

報告を受けた後の対応体制

報告を受けた後の対応は、一人で抱え込まず、偏りのない対応を確保するため複数の者によるチーム体制で行うことが望ましいです。対応者本人が加害者である可能性も考慮し、公正な対応を確保することが重要です。ることが有効です。また、過呼吸や体調不良に対応できる複数従事者による実施タイミングの検討も重要です。

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