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あなたの施設は義務対象?日本版DBS「学校設置者等」の定義を解説

日本版DBS制度の概要を象徴する抽象イメージ(法律書と議事堂のイラスト) 事業者の皆様へ

※この記事はこども家庭庁が公表しているこども性暴力防止法施行ガイドラインを元に作成しています。
あわせてこども性暴力防止法の概要も合わせてご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案については、必ず専門家へご相談のうえご判断ください。

はじめに:日本版DBSの「義務」と「認定」の違い

日本版DBS(こども性暴力防止法)では、すべての教育・保育事業者が同じ立場に置かれているわけではありません。

区分🔴 義務事業者(学校設置者等)🔵 認定事業者(民間教育事業者)
主な対象学校、認可保育所、放課後等デイサービスなど学習塾、スポーツクラブ、スイミングスクールなど
対応法的義務
任意申請
根拠公的な認可・指定を受けている民間の自由な事業である(※)

※放課後児童クラブ(学童保育)は原則、認定対象となります。


「学校設置者等」は学校だけではありません

「学校設置者等」と聞くと、小学校や中学校を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、日本版DBSにおけるこの定義は、はるかに広いものです。

法第2条第3項では、次のような認可・指定を受けた児童関連施設・事業が含まれます。

  • 保育所
  • 認定こども園
  • 児童養護施設・乳児院
  • 障害児通所支援事業(児童発達支援、放課後等デイサービス など)

いずれも、
学校教育法・認定こども園法・児童福祉法といった法律に基づき、
国や自治体の認可・指定を受けて運営されている点が共通しています。


なぜ「義務」なのか?―ガイドラインが示す2つの理由

ガイドラインでは、これらの事業者を義務対象とする理由として、
次の2点を明確に示しています。

① 行政による監督体制があること

これらの施設・事業は、
人員配置、設備基準、運営方法などについて、法律に基づく基準が定められています。
そのため、国や自治体による実効性のある監督が可能であることが前提とされています。

② 利用者が施設を「選べない」場合が多いこと

義務教育や、行政措置による入所など、
こどもや保護者が自由に利用先を選べないケースが少なくありません。

そのため、

安全対策が十分でない施設を、
こどもや保護者の判断だけで回避することが難しい

という事情があり、
制度として一律に高い安全水準を確保する必要があるとされています。


義務対象となる主な施設(3つの柱)

ガイドラインの整理に基づき、義務対象となる施設を大きく3つに分けると、次のとおりです。

学校教育法関係
  • 幼稚園
  • 小学校・中学校・高等学校
  • 特別支援学校
  • 高等専門学校(高専)
  • 専修学校(高等課程)※ 大学は対象外です。
児童福祉法関係
  • 保育所
  • 児童館
  • 児童養護施設・乳児院
  • 障害児入所施設
  • 障害児通所支援事業
    (児童発達支援、放課後等デイサービス 等)
  • 家庭的保育事業 ほか
認定こども園関係
  • 幼保連携型
  • 幼稚園型
  • 保育所型
    など、すべての類型

認可事業者としての「責任」

これらの事業者は、単なる民間サービスではなく、
公的な認可のもとで運営される**社会的インフラ(ライフライン)**という性質を持ちます。

そのため、日本版DBSにおいては、

  • 犯罪事実確認(Vetting)
  • 安全確保措置
    (面談・研修・内部体制の整備 など)

が、努力目標ではなく、運営上の必須要件=法的義務として位置づけられています。


まとめ:まず確認すべき最初の一歩

事業者が最初に行うべきことは、ただ一つです。

  • 自らの施設・事業が「学校設置者等」に該当するかどうか

を、正確に確認すること。

義務対象である場合、施行日(令和8年12月25日)に向けて、

  • 就業規則・規程の見直し(ここが最優先)
  • システム登録の準備
  • 日常運用を見据えた体制整備

を、「そのうち」ではなく、今から進めていく必要があります。

Q
放課後児童クラブ(学童保育)はどうなりますか?
A

原則として「認定事業者」としての対応になりますが、運営形態によって扱いが異なります。

1. 公立(児童館や保育所での直営)の場合: 児童館や保育所は「義務対象施設」であるため、そこで一体的に運営される学童保育の職員も、特例として**「義務対象(教員等)」**として扱われることが一般的です。

2. 公立(単独施設など)の場合: 児童館等の義務施設と一体でない場合、自治体(市町村)自身が**「認定事業者」**として申請し、認定を受ける必要があります。

3. 民間委託・民設民営の場合: 運営する民間事業者が**「認定事業者」として申請します。自治体から委託を受けている場合は、自治体と民間事業者がペアになって「共同認定」**を受ける仕組みもあります。

※個別具体的事案については専門家に直接お尋ねください。

Q
「認可外保育施設」や「企業主導型保育」は義務対象ですか?
A

原則として「義務対象(学校設置者等)」には含まれず、「認定対象事業者」となる見込みです。ただし、自治体独自の条例や補助金要件等で同等の対応を求められる可能性があるため、自治体からの通知を必ず確認してください。

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