💡 3分でわかる記事の要点
- 日本版DBS(こども性暴力防止法)の施行:学校・認可保育所・認定こども園等の義務対象事業者には、従事者の「犯罪事実確認」と「安全確保措置・情報管理措置」の実施が義務付けられます(学習塾や認可外保育施設等の民間事業者も認定制度により対象となります)。
- リスク:従来の「アットホームな採用」「知人の紹介」に頼る運用は、加害リスクや情報漏えい時の重い法的責任を招きます。
- 対策:
- 就業規則等の改定、2) 情報管理規程に基づく厳重なプライバシー管理、3) 密室化を防ぎ、園内・校内研修の実施が急務です。
- 当事務所の強み:人事労務に強い弁護士や心理職(メンタルケアの専門家)と緊密に連携し、熊本・福岡・鹿児島・長崎・佐賀・大分・宮崎の対象事業所様をトータルサポートします。
1. 日本版DBS(こども性暴力防止法)とは?熊本・九州各県の現場が知るべき基本構造
子どもと接する教育・保育の現場において、極めて重要な法制度である「日本版DBS(こども性暴力防止法)」が成立し、本格運用に向けた準備が進んでいます。
学校や認可保育所、認定こども園などは、本制度において「義務対象事業者」にあたり、諸措置の実施が法的義務となる公的施設です。「これまでのやり方で問題なかったから」「地域社会の顔が見える関係だから大丈夫」という甘い認識は、一瞬にして施設や事業全体の信頼を失墜させる重大なリスクとなり得ます。
なぜ今、組織的な改革が必要なのか?
教員免許や保育士登録の失効・取消情報だけでなく、非常勤講師、保育補助、部活動指導員、委託業者のスタッフなど、従来の制度の「隙間」を突いた被害や再犯を阻止することが本法律の狙いです。
新しく雇用するスタッフはもちろん、配置転換や現職者への対応を含め、法的に整合性の取れた「犯罪事実確認」のプロセスと、「安全確保措置」および「情報管理措置」の体制構築が各事業所に求められます。
2. 「うちの園・学校は大丈夫」という油断が招く3つの危険
熊本をはじめ、九州各県でも地域との繋がりが深い施設ほど、「アットホームさ」や「既存の信頼関係」への過信が最大の盲点になります。
- 危険①:「知人の紹介だから確認不要」の罠 加害者の多くは、周囲から「熱心で優しい先生」と評価されていた人物だったという事例が大変多いです。印象や知人の紹介のみに頼る採用は、結果として加害機会を与えるリスクに直結します。
- 危険②:「採用時だけチェックすれば安心」の罠「犯罪事実確認」の手続は万能ではありません。確認データに載らない前段階(不適切な行為の抑止や早期発見)の対策や、何より園内・校内風土の改善が伴わなければ、根本的な解決にはなりません。
- 危険③:「犯罪事実確認結果の管理方法が曖昧」の罠特定性犯罪事実該当者である(性犯罪歴がある)という情報はもちろん、「該当しない(白だった)」という情報すらも極めて高度なプライバシー情報です。万が一情報が漏えいした場合、法に基づく重い刑事罰が科されるほか、施設側が甚大な損害賠償責任を問われることになります。
3. 施行に向けて今すぐ着手すべき3つの準備
法の運用が開始されてから慌てて対応するのでは手遅れです。以下の3点について、直ちに取り組みを開始する必要があります。
① 採用・人事プロセスの全面的な見直し
- 手続と規程の整備: 犯罪事実確認に関する手続への協力義務や、確認結果に応じた内定取消・配置転換の法的根拠を就業規則等で明確にします。
- 外部スタッフのチェック体制: 給食、清掃、課外教室、部活動外部指導員など、子どもと接する業務を行うすべての者に対する対象範囲の特定と各種ポリシーを策定します。
② 高度なプライバシーの管理・セキュリティ体制の構築
- 情報の厳重管理: 取得した確認結果のアクセス権限を必要最小限に制限し、法令に準拠した「情報管理規程」の作成と事前の研修、周知を行います。
③ 研修の定期実施と「密室化」の排除
- ルールの共有: 何が「児童対象性暴力等につながり得る不適切な行為」に該当するのか、全職員で具体的基準を共有します。
- 環境の改善: 面談や指導の際に「見えにくい場所」「1対1になる空間」を作らないルールを徹底します。
4. 人事労務弁護士×心理職スペシャリストによる専門支援体制
日本版DBSへの対応は、単に犯罪事実確認を申請する作業にとどまりません。定期的な研修の実施や厳格で適切な情報管理の他、「法的根拠に基づく労務管理」と「子どもや職員の精神的ケア(メンタルヘルス)」等、多角的な対応を行ってはじめて、健全な組織運用が可能となります。
当事務所では、各分野の専門家と緊密に連携した万全のサポート体制を整えています。
🤝 外部専門機関と強力な連携体制
- 人事労務専門の弁護士:児童対象性暴力等対処規程や就業規則の改定、採用関係書類の作成、配置転換や内定取消に伴う法的トラブルの防止・対応をサポート。
- 心理職のスペシャリスト(公認心理師・臨床心理士等):万が一の事態や環境変化における「子どもたちのメンタルケア」「職員の不安やストレスのケア・面談」や、そういった事案を踏まえた研修を担当。
九州全域の事業所様のご相談に対応しています
熊本県内での研修実績多数、九州各県(福岡、鹿児島、長崎、佐賀、大分、宮崎)の学校・認定保育園・認定こども園様からのご相談を受け付けております。オンラインでのご相談や現地研修の実施など、各事業所の規模や課題に応じた柔軟な支援が可能です。 お気軽にお問合せください。
- Q既存の職員(現職者)に対しても照会を行う必要がありますか?
- A
義務対象事業所は、対象者が非常に多いため、手続の集中を防ぐ目的で、令和9年4月以降に順次分散申請が開始されます。地域や施設ごとに申請する月が割り当てられ、原則としてその月の前後の1か月を含めた3か月の間に申請を行うことになります。プライバシー権や労働法上の不利益変更の問題が絡むため、法律の施行前に人事労務専門の弁護士のアドバイスのもと、就業規則を正しく改定した上で進めることが不可欠です。
- Q照会結果で犯歴が判明した場合、すぐに解雇・不採用にできますか?
- A
正確な法的運用が必要です。あらかじめ就業規則や採用応募書類に根拠規定を設けていない場合、解雇無効訴訟などに発展するリスクがあります。弁護士による事前の規定整備が推奨されます。
- Q制度導入にあたり、現場職員の反発や不審感が心配です。
- A
こども性暴力防止法は、職員を疑うための制度ではなく「職員と子ども双方を守るための制度」であることを丁寧・誠実に周知することが重要です。職印の皆様への事前説明から対応致します。

