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最長20年・罰金でも10年|日本版DBSが照会する犯歴期間と3区分

日本版DBS制度の概要を象徴する抽象イメージ(法律書と議事堂のイラスト) 制度概要

※この記事はこども家庭庁が公表しているこども性暴力防止法施行ガイドラインを元に作成しています。
あわせてこども性暴力防止法の概要も合わせてご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案については、必ず専門家へご相談のうえご判断ください。

はじめに|「前科」はいつまで照会されるのか?

日本版DBS制度(こども性暴力防止法)において、
事業者が国のシステムを通じて確認できるのは、
**「特定性犯罪事実該当者であるか否か」**という情報です。

ここで注意すべきなのは、
この制度が確認する内容は、

  • 履歴書の賞罰欄
  • 一般的に言われる「前科」
  • 刑法上の「刑の消滅」

とは全く別の基準で管理されている、という点です。

こどもの安全確保を最優先とする日本版DBSでは、
極めて長期間にわたり、過去の犯歴が照会対象となることが
制度の大きな特徴です。


「特定性犯罪事実該当者」の3つの区分

ガイドラインでは、
刑の種類と経過期間に応じて、対象者を次の3つに区分しています。

① 実刑(拘禁刑)を受けた者

  • 定義
    刑務所に収容された者(執行猶予が付かなかった者)
  • 照会期間
    刑の執行終了(出所等)から 20年間
  • ポイント
    最も重い区分とされ、
    出所後も長期間にわたり、こどもと接する業務への従事が制限されます。

② 執行猶予付き判決を受けた者

  • 定義
    拘禁刑の言渡しを受けたが、執行猶予が付いた者
  • 照会期間
    裁判が確定した日から10年間
  • ポイント
    確定日から10年が経過するまで、DBS上は対象となります。
    ※個別具体的事案については必ず専門家(弁護士)にお尋ねください。

③ 罰金刑を受けた者

  • 定義
    特定性犯罪について、罰金刑が確定した者
  • 照会期間
    刑の執行終了(納付等)から 10年間
  • ポイント
    痴漢や盗撮などの条例違反による罰金刑も含まれます。
    「罰金だから軽い」という扱いはされず、
    10年間は記録が照会対象となります。

通常の「前科」との違い|刑の消滅との関係

刑法では、次のように定められています。

  • 禁錮以上の刑:10年
  • 罰金刑:5年

この期間が経過すると、
「刑の言渡しの効力が失われる」(いわゆる前科の消滅)とされています。

しかし――
日本版DBSは、この刑法上の考え方とは異なります。

DBS制度の特徴

  • 性犯罪の再犯リスク
  • こどもへの影響の重大性

これらを考慮し、
刑法上の消滅期間を超えて情報を管理・照会します。

つまり、

法律上は「前科なし」と扱われる状態でも、
DBSシステム上では「特定性犯罪事実該当者」として
ヒットする期間が存在する

という点が、実務上の重要ポイントです。


過去の刑罰(懲役・禁錮)の取り扱い

旧法の刑罰も対象

現在の刑法では「拘禁刑」に一本化されていますが、

  • 懲役刑
  • 禁錮刑

といった改正前の刑罰も、
日本版DBSでは拘禁刑として同様に扱われます

恩赦・刑の免除があった場合

  • 恩赦
  • 時効などにより刑の執行が免除された場合

であっても、

  • 「刑の執行を受け終わった者」と同様に扱われ
  • そこから 20年または10年 の期間が経過するまでは照会対象

となります。


まとめ|事業者と従事者が知っておくべき「期間の重み」

日本版DBSにおける
「20年・10年」という期間設定は、

  • 性犯罪の再発防止
  • こどもの安全確保

を最優先に設計されたものです。

事業者側の視点

  • 非常に長期にわたるリスク管理が義務付けられている
  • 採用・配置・就業規則の整備が不可欠

従事者側の視点

  • 一度の過ちが、
    職業人生に長期的な影響を及ぼし得る制度である
  • 「もう終わった話」では済まない

日本版DBSは、
過去を裁く制度ではなく、未来の被害を防ぐ制度です。
この「期間の重み」を正しく理解したうえで、
事業者・従事者双方が向き合うことが求められています。

Q
日本版DBSでは「前科」はいつまで照会されますか?
A

日本版DBS(こども性暴力防止法)で照会される期間は一律ではなく、刑の種類により異なります。実刑(拘禁刑)は刑の執行終了から20年、執行猶予付き判決は裁判確定日から10年、罰金刑は納付等による執行終了から10年が目安とされています

Q
罰金刑(条例違反の痴漢・盗撮など)でも10年照会されるのですか?
A

はい。日本版DBSでは、特定性犯罪に該当する行為について罰金刑が確定した場合も照会対象となり、刑の執行終了(納付等)から10年間が目安とされています。「罰金だから軽い」という扱いにはならず、一定期間は該当情報として確認され得ます。

Q
刑法の「刑の消滅」で前科が消えた後も、DBSではヒットすることがありますか?
A

あり得ます。刑法上の「刑の消滅(言渡しの効力が失われる)」の期間と、日本版DBSの照会期間は基準が異なります。そのため、一般的には「前科なし」と扱われる状態でも、DBS上は特定性犯罪事実該当者として一定期間ヒットする可能性があります。

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