なぜ性暴力防止はデジタルルールから始まるのか
こども性暴力防止法に基づく安全確保措置では、全ての従事者(パートタイム、アルバイト、ボランティアを含む)に対し、児童への性暴力につながり得る不適切な行為を未然に防ぐための服務規律の整備が求められています。近年、インターネットやSNSが性暴力のきっかけや手段となる事例が増えており、デジタル機器の使用や私的接触の管理が重要課題となっています。本稿では、事業者が定めるべきデジタル関連の服務規律と、その背景にあるリスクについて解説します。
厳格化された服務規律:デジタル機器と私的接触の禁止
私用スマートフォン等の使用制限
児童がいる場所での私用スマートフォンや写真・動画撮影が可能な電子機器の使用は禁止すべきです。これにより、盗撮や不適切な撮影行為を未然に防ぐだけでなく、業務と私生活の境界を明確化できます。また、シャッター音がしないカメラアプリの利用禁止や、業務上撮影した児童の写真を個人のSNSに掲載しないことも服務規律として明記すべき項目です。
児童との私的な連絡の禁止
従事者は児童との私的な連絡先(SNSアカウントを含む)を交換せず、職場外での個別の会合を行わないこともルールとして定める必要があります。これにより、業務上必要のない接触が継続的・密接に発展することを防ぎ、性的グルーミングのリスクを低減できます。
なぜこれらが不適切な行為とされるのか
支配性・継続性・閉鎖性の排除
私的な連絡や接触は、従事者と児童の間に密接で継続的な関係を生み出し、従事者が優越的立場を利用しやすくなるリスクがあります。これにより、性的グルーミングや不適切行為の発展が起こり得ます。
証拠保全上のリスク
私用端末で児童の写真を管理することは、万が一性暴力が発生した場合に証拠収集や保全を困難にするリスクを伴います。したがって、業務上の撮影やデジタル管理には厳格なルールと監視が必要です。
運用のための具体的な留意点と例外的対応
共通認識の形成
服務規律や就業規則に明記し、全従事者が理解・共有することが重要です。これにより、無用な疑念や批判から従事者を保護する効果もあります。
児童・保護者への周知
児童や保護者にもルールを周知し、「職員は施設外で二人だけで会わない」など共通認識を持たせることが有効です。
業務上必要な例外対応
障害児の安否確認など、業務上やむを得ず個別連絡が必要な場合でも、1対1のやり取りを避け、保護者や他の従事者も把握できるグループチャット等を活用することが求められます。原則として、私的接触や連絡は禁止です。
まとめ:服務規律の徹底が組織の安全を担保する
- 文書化と厳正な対処:服務規律に違反した場合の対応を明示し、全従事者に周知することが安全確保の基盤となります。
- 採用時の誓約:採用前にルールを説明し、書面で理解・誓約させることで初期段階から徹底できます。
- 継続的な見直し:日常の教育・保育活動での気づき(ヒヤリハット)をもとに、ルールを継続的に更新・追加していくことが重要です。
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