厳格な物理的防護:日本版DBS情報管理における「取扱区域」と「施錠キャビネット」義務の徹底

日本版DBSの書類整備を象徴する抽象イメージ(机上に並ぶ書類・印鑑・ファイル) 日本版DBS

物理的情報管理措置の重要性と「区域管理」の必要性

日本版DBS(こども性暴力防止法)では、児童に関する「犯罪事実確認記録等」を取り扱う事業者に対し、厳格な情報管理が求められています。
特に、犯罪事実確認書およびその記録は、極めて機微性の高い個人情報です。これらを漏えい・不正閲覧から守るためには、組織的・人的な管理に加え、**「物理的情報管理措置」を講じることが不可欠です。
物理的措置の中心となるのが、
「区域管理」**の考え方です。情報を扱う場所を区分し、物理的な遮断によって不正アクセスを防止します。


二つの管理区域の定義と求められる措置

物理的情報管理措置は、情報の取扱場所を次の二つの区域に分け、それぞれに応じた管理を行うことを求めています。

管理区域(重要情報システムの管理場所)

管理区域とは、犯罪事実確認記録等を保存・処理するサーバーやメインコンピュータなど、重要な情報システムを管理する区域を指します。
ここでは、外部者の立ち入りを厳格に制限し、入退室管理を徹底する必要があります。

取扱区域(事務処理を行う場所)

取扱区域とは、犯罪事実確認記録等を実際に取り扱う事務を行う場所です。
ここでも、権限を持たない者の閲覧を防止するための対策が求められます。


管理区域の入退室管理:「多層防御」と「共連れ防止」

管理区域では、権限のない者が入室・閲覧できないよう、多層的な入退室管理を導入することが原則です。

主な入退室管理手法

  • 施錠管理と鍵の貸出許可制:管理者が鍵を統制し、入室許可者を限定。
  • ICカードやナンバーキーによる認証システムの設置。
  • 多要素認証の採用(ID+指紋・虹彩認証・PINコード等)。

共連れ防止の仕組み

特に推奨されるのが、アンチパスバック機能の導入です。
入室記録のないIDでは退室操作ができない仕組みにより、「1人の認証で複数人が入る」共連れ入室を防止できます。
また、入退室ログを保存し、監査時に確認できる状態を維持することが、**「視認性の確保」**にもつながります。


取扱区域の物理的制約と柔軟な管理手法

取扱区域については、管理区域ほど厳密な制限は求められませんが、閲覧防止と限定管理が原則です。

具体的な物理的対策

  • 間仕切りやパーテーションを設置し、のぞき込み(ショルダーハッキング)防止を徹底。
  • 座席配置を工夫し、モニターの角度を調整する。

区域限定が難しい場合の工夫

オープンスペースなどで区域を完全に分離できない場合は、利用時間帯を限定するなど、運用上の工夫を行います。
ただし、どのような場合も「権限のない者が容易に閲覧できない」環境を確保することが必須です。


機器・媒体の盗難防止策と緊急時対応

犯罪事実確認記録等を保存・処理する機器・媒体・書類の盗難防止は、物理的措置の要です。

防止策の基本

  • PC等をセキュリティワイヤーで固定。
  • 退席時にはノートPCを施錠可能な引き出しやロッカーに保管
  • 書類・電子媒体は施錠キャビネットに格納する。

紛失・盗難時の緊急対応

  • 電子データは暗号化・パスワード保護を施した状態で保存。
  • 紛失時には遠隔操作によるロック・データ消去を即時実施。
  • ログイン情報を速やかに変更し、アクセス権を停止。

これらの対応を定めた緊急時対応フローを事前に整備しておくことが、実効性確保の鍵となります。


まとめ:規模に関わらず「最低限の防御層」を整える

物理的安全管理措置は、事業規模にかかわらず、すべての認定事業者が講じるべき最低基準です。
とくに、犯罪事実確認記録等のような特定機微情報は、漏えい時の社会的影響が甚大です。

したがって、自社施設のレイアウトや人員構成に応じた区域設定・施錠管理・緊急対応体制の明文化が不可欠です。
行政書士としても、こうした措置を盛り込んだ情報管理規程の策定支援を通じて、法令遵守と社会的信頼の確立をサポートいたします。

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