【徹底解説】機微情報を「持ち運ぶ」際の物理的防護策:暗号化義務と公共交通機関利用時の厳格ルール

日本版DBSの書類整備を象徴する抽象イメージ(机上に並ぶ書類・印鑑・ファイル) 日本版DBS

物理的措置の対象としての「持ち運び」と原則的な回避義務

こども性暴力防止法(日本版DBS)において、犯罪事実確認書およびその情報(以下「CFCR等」)は、最も機微性の高い個人情報の一つです。
そのため、事業者は法第20条第1項第6号に基づき、物理的情報管理措置を講じることが義務付けられています。

「持ち運び」とは、CFCR等を記録した電子媒体(USBメモリ、PCなど)や書類を、取扱区域(当該情報を取り扱う区域)を越えて移動させる行為を指します。
原則として、こうした移動は避けなければなりません。持ち運びが許容されるのは、あくまで**「やむを得ない場合」**に限られ、その際には厳格な安全措置が必要です。


技術的な「二重の保護」義務:暗号化とパスワード設定

CFCR等を記録した電子媒体を組織外へ持ち出す場合、情報漏えい防止のための技術的対策は必須です。
特に求められるのが、暗号化パスワード保護による二重の防護です。

  • 暗号化の実施:電子ファイルには必ず暗号化を施す。これにより、媒体を紛失・盗難した場合でも内容が閲覧できないようにします。
  • パスワード保護:暗号化に加え、別途パスワードを設定して保護する。パスワードは管理者が限定的に知る形で運用します。

これらの措置は、紛失や盗難といった緊急事態の際に、被害を最小限に抑える実効的な手段です。


紛失・盗難を防ぐ物理的対策:封印と通し番号管理

電子媒体や書類を持ち運ぶ際には、物理的な管理手段を徹底する必要があります。

  • 封印の徹底:紙の記録は封筒に封入し、封緘または目隠しシールで封印。さらに、施錠できる搬送容器を利用することが望まれます。
  • 通し番号管理:持ち出し書類には通し番号を付与し、返却・回収漏れを防ぐ。
  • 紙媒体の迅速処理:閲覧後は速やかに回収し、廃棄または施錠保管を行う。長期間の携行は原則禁止です。

こうした手順を組織内で標準化し、持ち出し許可制と併せて運用することが重要です。


公共交通機関・自家用車利用時の留意点:移動中の「視覚漏えい」防止

持ち運び中の紛失や視覚的な漏えい(ショルダーハッキング)を防ぐため、移動手段に応じた行動ルールを定める必要があります。

公共交通機関利用時の注意点

  • 鞄を網棚に置かず、常に手元から離さない。
  • ノートPCを開いて作業しない。車内での画面閲覧も厳禁。

自家用車利用時の注意点

  • 媒体や書類を車内に放置しない。
  • 駐車時も、常に身体の近くで携行する。

定期的な点検
電子媒体を使用する場合は、管理責任者が定期的に媒体の所在・状態を確認し、記録簿に残します。


「取扱記録」と責任者の確認:すべての移動を追跡可能に

CFCR等の持ち運びは例外的措置であるため、その履歴を明確に残すことが義務です。

  • 取扱記録の作成:持ち運び・伝達・回収の各過程について、日時・担当者・目的・移動経路を記録。
  • 責任者の確認義務:記録は定期的に責任者が確認し、不備があれば即時是正します。

これにより、**「いつ」「誰が」「どこへ」「何を」**持ち運んだかが明確となり、内部統制の証跡となります。


紛失時の初動対応と規程整備の必要性

CFCR等を記録した媒体を紛失した場合は、ただちに関係システムのパスワード変更およびアクセス権の停止手続きを行う必要があります。
また、こうした緊急時対応を円滑に行うため、情報管理規程には次の内容を明示しておくことが求められます。

  • 緊急時の報告・承認フロー
  • 持ち運びの承認手順と責任者の権限
  • 紛失時の通報先および対外報告手順

まとめ:持ち運びは「最小限に、最厳格に」

CFCR等の物理的持ち運びは、制度上「最小限の例外措置」です。
万が一の漏えいは、事業者の信用を失うだけでなく、被害児童・関係者の権利を著しく侵害します。
そのため、技術的・物理的・組織的措置を三位一体で運用し、**「安全に持ち運ぶための仕組み」ではなく、「持ち運ばないための仕組み」**を整備することが、法の趣旨に即した実務といえます。貴事業所の情報管理規程の策定や従業員研修の整備については、行政書士事務所POLAIRE(ポレール)がサポートいたします。

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