認定事業者の信頼性証明:認定時現職者「犯罪事実確認完了届」の必須記載事項と公表の法的意義

日本版DBS制度の概要を象徴する抽象イメージ(法律書と議事堂のイラスト) 制度概要

なぜ「認定時現職者」の完了届出が義務付けられるのか

認定事業者等には、認定を受けた時点ですでに業務に従事していた者(認定時現職者)について、児童対象性暴力等の防止に必要な措置を講じるため、犯罪事実確認(DBSチェック)を行う義務があります。
この確認の期限は、認定等の日から起算して1年を経過する日までと政令で定められています。

法第26条第4項に基づき、認定事業者等は、すべての認定時現職者の犯罪事実確認が完了したときは、その旨を内閣総理大臣(こども家庭庁)に届け出なければなりません。
この届出は単なる事務手続ではなく、**「法定期間内履行の証明」**という法的意味を持ち、認定事業者の信頼性を裏付ける根拠となります。


完了届出の法的性質と「法定期間内履行」の証明

犯罪事実確認の完了届は、法定期間(認定日から1年以内)に義務を履行したことを国に公式に証明するものです。
届出義務は、すべての認定時現職者に対する確認が終了した時点で発生します。

この届出が遅延した場合、法定義務不履行として行政的な指導・改善命令の対象となる可能性があり、認定取消しリスクにもつながり得ます。
したがって、事業者は**「確認の実施」だけでなく「完了の報告」までをもって義務履行の完結とする」**視点が必要です。


内閣府令が定める完了届出の必須記載事項

内閣府令(規則第●条)により、完了届出においては次の項目の記載が求められます。

  • 完了時期の特定:すべての認定時現職者について犯罪事実確認が完了した年月日を明記する。これにより、法定1年以内の履行が確認されます。
  • 完了者数の明示:確認を完了した認定時現職者の人数を記載。
  • 完了者の特定:完了した認定時現職者の氏名と犯罪事実確認書の文書番号を一覧にして添付(別紙形式も可)。
  • 事業者情報の明示:届出年月日、認定事業者等の名称・所在地、代表者名(法人の場合)、事業の概要・種別、連絡先。

これらの情報は、確認作業が組織的に行われたことを裏付ける「行政証拠」としての役割を持ちます。


共同認定における届出の義務とオンライン手続の原則

認定時現職者の完了届は、原則としてこども性暴力防止法関連システムを通じてオンラインで届出を行うものとされています。

特に、民間教育保育等事業者と事業運営者が共同認定を受けている場合(共同認定)には、両者が届出内容を確認・合意した上で手続きを完了させる必要があります。
これは、共同認定の取消し効果が双方に及ぶという法第32条の相互責任の原則に基づくものであり、届出内容の正確性を確保するための仕組みです。

オンライン化によって、国側の審査プロセスも効率化され、法定期間内の手続管理が厳格にトレースできる体制が整備されています。


完了届出の公表が保護者の選択にもたらす法的意義

法第26条第5項は、内閣総理大臣に対し、完了届を受理した場合には、その事業者が法定期間内にすべての教育保育等従事者について犯罪事実確認を行った旨を公表する義務を課しています。

この公表情報は、保護者が教育・保育サービスを選ぶ際の信頼性判断に直結する要素です。
認定マークが付されているだけでなく、**「認定時現職者の確認が期限内に完了しているか」**が公表されることにより、保護者は安心して選択することができます。

つまり、この公表制度は、事業者の法令遵守体制を可視化し、保護者の判断を支える**「社会的な信頼指標」**として機能します。

完了届出の適正な提出と公表対応は、単なる法的義務ではなく、自社の信頼価値を社会に証明する最も重要な要素といえるでしょう。


まとめ

  • 認定時現職者の犯罪事実確認完了届は、法第26条第4項に基づく「履行証明」としての法的意義を持つ。
  • 届出内容には、完了年月日・人数・個別特定情報・事業者情報の記載が義務。
  • 共同認定の場合、両者合意のもとでオンライン届出が必要。
  • 完了届の公表は、保護者の信頼判断を支える透明性確保の手段である。

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