雇用形態・従事期間による例外なしの原則
こども性暴力防止法(日本版DBS)では、「業務に従事する者」である限り、雇用形態や従事期間の長短による例外は設けられていません。
たとえ1日だけのボランティアや数日間の臨時スタッフであっても、その業務が教育・保育等に該当する場合には、犯罪事実確認(いわゆるDBSチェック)の対象となります。
有期契約や単発アルバイト、イベントボランティアであっても、児童と接する業務内容を持つ場合には、原則として確認義務が生じる点が重要です。
スポットワーク・ボランティアを仕分ける「継続性」の判断基準
短期従事者の確認対象を判断する際に最も重視されるのが「継続性」です。
犯罪事実確認の要否は、支配性・継続性・閉鎖性の三要件を総合的に見ますが、とりわけ短期間の従事者においては、業務の実態が「継続的」とみなされるかが判断の鍵となります。
継続性があると判断される場合
- 日常的、定期的、または不定期であっても反復継続して児童と接する業務。
- 例:大学のボランティアサークルが月2回、障害児施設で交流支援を行うケース。
→ このように繰り返し参加が見込まれる場合、たとえ無報酬でも確認対象となります。
継続性がないと判断される場合(対象外)
- 児童との接触が一時的・突発的である場合。
- 例:
- PTA主催の年1回のバザーで保護者が手伝う。
- 夏休みに大学生OBが1日だけスポーツ教室を補助する。
→ これらは「一過性の参加」として継続性を欠くため、原則として確認対象外です。
ボランティア・スタッフに求められる「支配性」と「閉鎖性」の具体的解釈
短期や不定期の従事者でも、業務の中で支配性や閉鎖性が認められる場合は、犯罪事実確認の対象に該当します。
支配性とは
- 指導、援助、ケアなどを通じて、児童より優越的な立場に立つ可能性がある場合。
- 大人と児童の関係では自然に支配性が生じやすく、継続的な接触がある場合は原則として支配性を有するとみなされます。
閉鎖性とは
- 他者の目が届かない場所で児童と接する可能性がある状況。
- 例:
- 居場所づくり事業などで、学習支援者が児童と1対1で指導する場面。
- 放課後活動で個別ケアを行うケース。
→ このような環境では閉鎖性が認められ、短期従事であっても確認が必要です。
短期従事者への再確認を不要にする「意向確認書面」の運用義務
ボランティアや短期契約スタッフが、同一事業者のもとで再度活動することが想定される場合、都度DBSチェックを行うのは現実的に困難です。
このため法令上、「意向確認書面」の運用によって確認の効率化が認められています。
離職扱いを避けるための仕組み
従事者が「離職」と見なされると、事業者は30日以内に犯罪事実確認記録を廃棄・消去しなければなりません。
しかし、意向確認書面を交わすことで、一定期間内に再従事する意思を明示すれば「離職」とは扱われません。
書面の期間制限
- 有効期間は6か月以内に限られます。
- 6か月を超える場合は、その都度新たな書面を取り交わす必要があります。
説明義務
- 意向確認書面は雇用契約書ではないことを従事者に説明する必要があります。
- 雇用期間を定めるものではなく、再従事の意思確認書に過ぎないことを明確にしておくことが重要です。
まとめ:短期従事者こそ法の「隙間」にしない管理を
日本版DBS制度は、児童の安全確保を目的とする制度であり、**「短期だから」「ボランティアだから」**という理由で確認を省略することは許されません。
事業者は、業務の性質・従事頻度・活動環境を丁寧に確認し、支配性・継続性・閉鎖性の3要件をもとに判断を行うことが求められます。
意向確認書面の導入や、活動内容ごとの区分管理を徹底することで、短期従事者であっても制度の適正運用と児童の安全確保を両立させることが可能です。
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