戸籍提出の原則:識別符号を用いたオンライン提出
オンライン提出を原則とする理由
日本国籍を有する申請従事者の犯罪事実確認においては、氏名や本籍、生年月日などの本人特定情報を証明するため、従来は戸籍・除籍の抄本等を紙で提出する必要がありました。しかし、この紙媒体での提出は、事業者・従事者双方にとって時間的・物理的負担が大きく、紛失や漏洩のリスクも伴います。
これを軽減するため、戸籍(除籍)電子証明書提供用識別符号(以下、識別符号)を用いたオンライン提出を原則とする方針が示されています。これは、教育DXやこどもDXなど政府が推進する行政手続のデジタル化の一環であり、交付申請から交付までをこども性暴力防止法関連システム上で完結させることを目的としています。
識別符号の取得方法と提出の流れ
申請従事者は、マイナンバーカード等を用いて本人認証を行い、関連システムにアカウント登録を行います。携帯端末にマイナンバーカードをかざすことで、戸籍(除籍)電子証明書提供用識別符号を取得し、システムに送信して戸籍情報を提供する仕組みです。
戸籍情報の種類と提出方法は以下の通りです。
- 電算化戸籍(データ):識別符号を入力してオンライン提出可能
- 電算化除籍(データ):オンライン提出可能
- イメージ除籍(PDF):市区町村窓口で取得後、システムに提出
- 紙媒体管理の戸籍・除籍:一部自治体では紙管理されている場合があり、窓口で取得のうえ提出が必要
デジタル化のメリットと情報セキュリティ上の配慮
従事者・事業者の負担軽減
識別符号を用いたオンライン提出により、短期契約ごとの戸籍再提出や記録の廃棄・再取得といった手間を大幅に削減できます。再確認(5年ごと)でも、最新の戸籍情報を簡便に提供できる点が利点です。
機微な情報管理の徹底
犯罪事実確認書には、本人を特定できる氏名等は記載せず、申請番号のみを使用します。交付も原則システム上での閲覧に限定され、紙や電子ファイルでの記録・保存・伝達は極力避ける方針です。さらに、システムは法定期限に応じて犯罪事実確認記録等を自動消去する機能を有しており、情報漏洩リスクを最小化します。
実務上の課題と例外的なケースへの対応
マイナンバーカード非保有者への対応
2025年時点で国民全体の約22%はマイナンバーカードを保有しておらず、こうした従事者は市区町村窓口で戸籍情報を取得する必要があります。また、一部の電算化除籍についても、オンラインで取得できない場合は窓口で識別符号を取得する必要があります。
外国籍者の場合の手続き
外国籍者には戸籍制度がないため、識別符号による提出は適用されません。代わりに、在留カード、住民票、旅券等に加え、氏名や国籍に変更があった場合には、その国の戸籍相当書類を提出します。また、過去に日本国籍を有した外国籍者については、日本国籍者と同様に戸籍等の提出が求められます。
まとめ:デジタル化が実現する安全と効率
戸籍電子証明書提供用識別符号の活用は、日本版DBS運用におけるDX戦略の核心であり、複雑な書類手続きを効率化するだけでなく、申請従事者・事業者双方の負担を大幅に軽減します。
このデジタル基盤により、戸籍情報や犯歴情報といった極めて機微性の高い情報も、システム内で厳格に管理され、情報漏洩リスクを最小限に抑えた安全な運用が可能となります。
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