性暴力等につながり得る行為の定義と事業者責務
日本版DBS(こども性暴力防止法)における防止措置として、認定事業者等は、性暴力等そのものだけでなく、それにつながり得る**「不適切な行為」**の疑いを早期に把握し、適切に対処することが求められています。
「不適切な行為」とは、当該行為自体は性暴力には該当しないものの、業務上必要でない関わりや接触であり、継続することで性暴力等につながるおそれのある行為を指します。
この段階での適切な対応が、重大な被害を未然に防ぐ最も重要なポイントです。
高リスクな「私的コミュニケーション」の禁止と具体的行為
内閣府令およびガイドラインでは、「不適切な行為」の代表例として、児童との私的な関係構築につながる行為が明確に示されています。
特に、SNSや私的な連絡を通じたコミュニケーションは、性暴力への導入リスクが高いため、組織的な禁止が必要です。
禁止される具体的な行為(私的コミュニケーション・面会)
- 児童と私的な連絡先(SNSアカウント、メールアドレス、オンラインゲーム等)を交換し、やり取りを行うこと。
- 休日や放課後に、児童と二人きりで私的に会うこと。
- 保護者の承諾がないまま、児童の自宅を訪れたり、自宅に招いたりすること。
求められる具体的措置
- 業務上の必要がある場合でも、一対一でのSNS・メールでのやり取りを避ける。
- 保護者や他職員を含むグループでやり取りを行い、第三者が確認できる状態を確保する。
私物端末利用と「撮影・管理」に関する厳格な制限
児童対象性暴力には、性的な姿態の撮影や画像管理を含む行為も該当します。
したがって、撮影やデータ管理に関しては、業務上の必要性を明確にし、厳格にルール化する必要があります。
禁止される具体的な行為(撮影・記録)
- 私物スマートフォン等で児童の写真・動画を撮影・保存すること。
- 業務目的外で児童の映像や画像を撮影・管理すること。
求められる具体的措置
- 研修において、**「カメラ使用ルール」や「画像データ管理体制」**を従事者間で共有し、必要に応じて体制を見直す。
- SNSやメールで児童から個人的な相談が寄せられた場合は、私物端末で対応せず、上司へ報告することを徹底する。
「不適切な行為」の判断基準と現場での留意点
「不適切な行為」の範囲は、事業の内容や児童の発達段階・特性によって異なります。
そのため、一律の線引きではなく、現場実態に即した判断基準の策定が不可欠です。
判断・決定における留意点
- 現場の従事者と意見交換を行い、過度な委縮を防ぎながら現実的な範囲を設定する。
- 服務規律等の文書に明記し、従事者・児童・保護者に対して周知徹底する。
- スポーツや芸術など身体接触が伴う指導では、事前に説明し、必要に応じて書面で合意を得ることで透明性を確保する。
研修による認知変容の促進と組織的対応
日本版DBSでは、研修を座学と演習の組み合わせで実施することが求められています。
「不適切な行為」の理解を深めるには、現場の状況を想定した演習が特に効果的です。
研修で求められる措置
- 実際に起こり得る「身体接触」や「関わり方」の事例をもとに、従事者間で意見を交わす。
- 不適切な行為を見聞きした際に、自由に議論・報告できる職場環境を整える。
- 定期的な研修で共通認識を醸成し、組織的対応力を高める。
まとめ:不適切行為ルールは「子どもと職員を守る盾」
「不適切な行為」のルール化は、児童の安全確保だけでなく、現場従事者を守るための仕組みでもあります。
明確な定義と報告ルールを整えることで、組織の信頼性と職員の安心感を両立させることが可能です。
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