安全確保措置の信頼性を高める:「第三者性の確保」と外部専門家連携による実効的な運用体制とは

教室や保育現場で大人が子どもに寄り添う様子を象徴する抽象イメージ(現場運用の温かみを表現) 日本版DBS

なぜ安全確保措置に第三者性が必要か

認定事業者等(民間教育・保育等事業者及び事業運営者)に義務付けられる安全確保措置(研修、相談、調査など)は、児童対象性暴力等の防止において中核を担う取り組みです。
しかし、これらの措置を組織内部だけで完結させると、公平性・透明性・客観性を欠き、信頼性が損なわれるおそれがあります。

特に、加害者が児童にとって身近な存在であるケースや、組織内部の上下関係が影響を及ぼす場合には、内部調査のみでは適正な判断が難しくなることもあります。
そのため、外部専門家や第三者機関との連携を通じ、措置の「実効性」と「社会的信頼性」を高めることが求められます。


研修における外部専門家の活用と質の担保

研修の法的義務と目的

研修は、児童対象性暴力等の防止に関する理解を深め、従事者一人ひとりの意識を高めるための必須措置です。単なる形式的な受講ではなく、実効性ある学びの場とするためには、内容の質と客観性を確保する必要があります。

外部有識者の活用による「第三者性の確保」

研修の公平性・透明性を担保するため、専門的知見を持つ外部有識者や専門機関の協力を得ることが推奨されています。たとえば、外部講師による講義の実施や、研修教材の監修を依頼することで、研修全体の質を高めることができます。

実施体制の工夫

外部講師を招聘する場合は、臨床心理、教育現場、法律分野など多角的な視点を持つ専門家を選任することが望まれます。また、研修の効果検証や参加者のフィードバックを第三者が評価する体制を組み込むことも、持続的な質の向上に寄与します。


相談窓口における第三者性の確保と外部窓口の周知義務

複数の相談経路を確保する意義

児童等が安心して相談できる環境を整えることは、被害の早期発見と再発防止の鍵となります。
そのため、事業者は内部相談窓口だけでなく、外部の相談機関を含めた複数の窓口を設け、児童・保護者・職員が容易にアクセスできるようにする必要があります。

内部体制の工夫と第三者性

内部相談体制では、複数の相談員を配置し、性別の多様性や役職構造に配慮することが推奨されています。これにより、相談者が心理的安全を感じやすくなり、相談のハードルを下げる効果が期待されます。

外部窓口の周知義務

法令上、児童対象性暴力等に係る外部相談窓口の情報を明示・周知することが義務付けられています。
事業所内掲示やパンフレット、ウェブサイト等を活用し、相談先を誰でもわかりやすく確認できるようにすることが求められます。


調査における外部専門家との連携と記憶の汚染防止

調査実施の基本原則

児童対象性暴力等の疑いが生じた場合、事業者は公正・中立な立場で事実確認を行わなければなりません。この際、内部関係者のみで調査を行うと、関係者の利害関係により客観性が損なわれるおそれがあります。

外部専門家との協働

調査は、事案の内容や児童の特性に応じて、臨床心理士・公認心理師・弁護士などの外部専門家と連携して実施することが有効です。これにより、児童への聴き取り方法や証拠の扱いに専門的配慮が加わり、人権侵害や誤った認定を防ぐことができます。

記憶の汚染防止と二次被害回避

特に児童への聴取においては、誘導的な質問により記憶が変化する「記憶の汚染」を避けることが重要です。
専門家が関与することで、心理的配慮を伴った調査が実施され、児童等の精神的負担を軽減することが可能になります。

外部機関との適切な連携

必要に応じて、警察、教育委員会、児童相談所、自治体などの公的機関と連携することも示されています。
外部機関との情報共有や支援体制の構築は、調査結果の信頼性を高め、被害児童の保護を最優先とした対応を実現するために不可欠です。


まとめ:第三者性がもたらす「制度への信頼」

日本版DBS(こども性暴力防止法)における安全確保措置は、単なる形式的な法的義務ではなく、「信頼の仕組み」を構築するプロセスです。
外部専門家や第三者機関との連携を積極的に取り入れることで、透明性・公平性を担保し、児童の安心と社会の信頼を守る持続的な体制を築くことができます。


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