施行時・認定時現職者確認の法的義務と計画的対応の重要性
こども性暴力防止法(日本版DBS)に基づき、学校設置者や民間教育保育事業者は、現職者の犯罪事実確認を法的に義務付けられています。
- 施行時現職者:令和8年12月25日時点で現職の全従事者は、令和11年12月24日までに確認を完了する必要があります。
- 認定時現職者:認定を受けた日に既に対象業務に従事している者は、認定日から起算して1年以内に確認を完了する必要があります(法第26条第3項、政令)。
対象人数が膨大な場合、申請・事務負担が集中するため、分散計画と期限管理が不可欠です。本記事では、施行時現職者と認定時現職者それぞれの確認義務の概要、分散計画の方法、運用上の留意点を整理します。
施行時現職者確認の基本スケジュールと優先原則
期間設定:27ヶ月間での分割
施行時現職者の確認は、令和9年4月から令和11年6月までの27ヶ月間を1ヶ月ごとに分割し、順次実施する方針です。
- 確認期限(令和11年12月24日)までに余裕を持たせるため、最終月から数か月をバッファ期間として設定します。
- 期間内にシステム障害や申請遅延が発生しても、期限内完了が確実になる設計が求められます。
新規採用者の優先対応
施行直後(令和8年度末~令和9年3月)は、新規採用者の申請を優先的に処理します。
- これにより、新規採用者が確認漏れになるリスクを低減します。
従事者への伝達と順番のランダム性
- 事前に従事者へ申請区分を通知しますが、「あと2年は確認されない」等の予見可能性を与えないため、区分順はランダムに設定します。
- 通知タイミングは、確認開始数か月前(例:3か月前)が望ましいです。
大規模組織における分散方法と運用留意点
分散方法の選択
都道府県立・市町村立学校など、施行時現職者が多数存在する場合、27分割を達成するため以下の方法が考えられます。
- 採用年次による分割:採用年度に応じて区分し順次確認
- 学校単位による分割:学校ごとに区分して順次確認
- 学校種別による分割:高校、中学校、幼稚園等で区分
- 学校所在地による分割:市区町村ごとに区分
運用上の留意点:異動時の漏れ防止
- 学校単位・所在地・種別による分割では、未確認者が確認済み施設に異動した場合に漏れが生じないよう丁寧な確認が必要です。
- 都道府県教育委員会は、市町村教育委員会にも同様の確認依頼を行う必要があります。
小規模事業者における分散運用
施設所在地による分割
私立学校や児童福祉施設などでは、事業者単位で27分割は非現実的です。
- **施設所在地(都道府県)**ごとに順に確認を実施
- 順番はランダム化し、従事者へ通知は数か月前に行います
異動時の確認漏れ防止
- 未確認者が確認済み施設に異動した場合、犯罪事実確認の有無を再確認
- 確認済み施設が新たな現職者を受け入れた場合も漏れなく確認することが求められます
認定時現職者確認:1年期限の徹底
期限の法的要件と起算日
- 認定時現職者は、認定日から1年以内に犯罪事実確認を完了する必要があります(法第26条第3項)。
- 期限超過は認定取消しのリスクとなります(法第32条第1項第3号)。
完了公表による信頼獲得
- 確認完了後は、こども家庭庁ウェブサイトで公表されます(法第26条第5項)
- 公表により保護者の信頼獲得に直結します
計画的確認のための事前準備とスケジュール設計
事務計画の策定と責任の明確化
- 現職者数と処理能力を考慮し、年間スケジュールを作成
- 申請・戸籍情報収集・システム入力の責任者・担当者を明確化
認定申請時の整合性
- 提出人数と実際の確認対象人数に齟齬がないよう、対象範囲を正確に特定
- 支配性・継続性・閉鎖性の観点で現職者を判定
定期報告との連携
- 認定日から1年以内の犯罪事実確認進捗を定期報告
- 遅延防止のため、報告タイミングを基準に運用
運用上の留意点と保護者対応
完了届の提出
- 全員確認完了後、こども家庭庁へ届出
- 届出内容:完了年月日、人数、一覧(氏名・文書番号)
従事者への事前通知
- 戸籍情報提出の協力依頼を認定時または直後に書面通知
- 提出遅延による期限超過リスクを防止
保護者への情報提供
- 確認状況に関する問い合わせに対応可能な体制を整備
- 適切で具体的な説明を行える準備が必要
まとめ:事業者全体に求められる事務計画と法令遵守
- 施行時現職者の3年、認定時現職者の1年という期限は、事務負担軽減のための猶予であり、計画的対応が求められます
- 年間スケジュール策定、責任者の明確化、異動時の確認漏れ防止などの事務管理は、認定基準を満たすための必須事項です
- 適切な期限管理と完了届の提出は、事業者の法令遵守を示す核心的証拠となります
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